遺産分割協議書での預金の分け方別文例集 | 正しい書き方とルール
遺産相続で遺産はいつもらえる?手続きの流れや受け取り時期を解説
2025.07.29

もし自分の親が亡くなったとき、遺産はいつもらえるかを考える人もいるでしょう。遺産をいつもらえるかは、手続きや状況によって細かく変わります。
この記事では、遺産手続きが完了するまでの期間をケース別に紹介します。期限が決められている相続手続きについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.遺産相続手続きの基本的な流れ【4ステップ】

遺産相続をするには、いくつかのステップを踏む必要があります。次は各ステップに分けて、どのくらいの期間を要するか説明していきます。
1-1.遺言書を確認する:1ヶ月間
遺産相続をするなかで、まず必要となるのが遺言書の確認です。どの種類に該当するかにもよりますが、確認が完了するまでは約1ヶ月間かかります。
また、あらかじめ相続人に場所を伝えていたらすぐに見つかりますが、そうでないときは全員で探さないといけません。公正証書遺言であれば公証役場が保管しますが、相続が発生しても通知はしてくれません。公証役場で遺言書を預かっていないか、相続人側から連絡する必要があります。
自筆証書遺言書の場合、法務局が保管することも可能です。当該制度に関しては、相続人に対して通知もしてくれます。
1-2.誰が相続人となるかを確認する:1ヶ月間
遺産相続を進めるにあたって、誰が相続人になるかを確認しなければなりません。調査には、約1ヶ月間を要すると考えましょう。一番簡単なのは、配偶者や子が相続人となるケースです。
しかし故人が別の人とも結婚しており、子がいるときはその人物も相続権を有します。加えて普通養子縁組をした場合、養子も相続人の一人として数えられます。
こうした状況を考慮すると、正確に相続人を確定するためには、出生〜死亡までの戸籍謄本を辿るのが一般的です。
1-3.財産調査を進める:1ヶ月間
財産調査も、基本的に1ヶ月間を要します。財産調査を進めるには、相続人の調査と同時にしたほうが賢明です。
預貯金や有価証券だけではなく、所有している不動産、骨董品、貴金属などもすべて調べないといけません。これらの調査を素人だけで進めると、申告漏れにつながるリスクもあります。
そこで財産調査をする際には、司法書士や税理士といったプロに依頼するのが一般的です。焦って対応しようとせず、じっくりと時間をかけながら確実に調査しましょう。
1-4.遺産分割協議をおこなう:1日〜数週間
故人が遺言書を残していなければ、遺産分割協議に移ります。遺産分割協議は、スムーズに進むと1日〜数日で終了することもあります。
しかし遺産分割協議書を完成させるには、相続人全員の署名捺印が必要です。話し合いでもめてしまうと、内容がまとまらないだけではなく、裁判所での調停や審判が必要になるケースもあります。その際は数週間程度かかる場合もあるので、注意してください。
2.遺産相続の手続きをすると遺産はいつもらえる?
遺産をもらえる時期は、遺言の有無によって変わります。遺言がある場合も、種類によって期間が異なるので注意が必要です。具体的にいつ頃もらえるようになるか、以下の4パターンに分けて目安を紹介します。
- 公正証書遺言がある
- 自筆証書遺言や秘密証書遺言がある
- (遺言書なし)相続人が一人である
- (遺言書なし)相続人が複数人いる
それぞれ解説します。
2-1.公正証書遺言がある:約2週間
公正証書遺言がある場合は、早くて約2週間程度で遺産相続が可能です。公正証書遺言であれば、遺言書を公証役場が管理しています。そのため遺言書を開封するときも、家庭裁判所で検認手続きを済ませる必要はありません。
公証役場で手続きするときは、相続に関する必要書類を取り揃えないといけません。これらを一から収集するとなれば、約2週間程度の期間を要するでしょう。あらかじめ書類を用意することで、さらなる時間の短縮につながります。
2-2.自筆証書遺言や秘密証書遺言がある:約3ヶ月間
自筆証書遺言書や秘密証書遺言書があるときは、約3ヶ月間は必要になると押さえてください。これらの遺言書を見つけたら、家庭裁判所にて検認を経なければならず、検認の手続きが完了しないと遺産分割はできないので注意しましょう。
検認は遺言書を見つけ次第いつでも申立てできますが、終了するまで遅くて1ヶ月程度かかります。検認が終わったあとも、相続財産の内容によっては登記や名義変更といった手続きが必要です。
2-3.(遺言書なし)相続人が一人である:約2ヶ月間
遺言書がない状態で相続人が一人であれば、約2ヶ月間程度で遺産相続できる可能性があります。ほかに相続人がいない場合は、遺産分割協議を経る必要がないためです。
相続人の調査も踏まえると、この時点で1〜2ヶ月かかると想定されます。また遺産を受け取るにあたって登記や名義変更の必要性も考慮すれば、2ヶ月以上を要するケースも考えられるでしょう。
2-4.(遺言書なし)相続人が複数人いる:約3ヶ月間
遺言がない状態で相続人が複数人いるときは、約3ヶ月間で遺産相続できれば早いほうです。
相続人が複数人いる際には、まず遺産分割協議を経なければなりません。遺産分割協議する前には、財産調査や相続人調査も必要です。財産の状況によっては、調査が難航するケースも考えられます。
約3ヶ月間と示したのは、あくまでスムーズに手続きが進んだ場合です。相続人が遠方にいるなどの理由で長期化すれば、3ヶ月以上かかることもあるので注意してください。
3.【財産の種類別】遺産分割協議後に遺産をもらえる時期

次は以下の財産別に分けて、遺産をもらえる時期について解説します。
- 預貯金の払い出し
- 死亡保険の手続き
- 有価証券の口座移管
- 自動車の受け取り
- 不動産の名義変更
財産によっては、所有権を移転するにあたって複雑な手続きが必要となります。詳しく見ていきましょう。
3-1.預貯金の払い出し:約2週間
預貯金の引き出しであれば、早くて約2週間で遺産相続できます。ただし場合によっては、1ヶ月以上かかる可能性もあります。
名義人が亡くなったときは、まず取引先の金融機関に亡くなった旨の連絡をしましょう。連絡した際に、これから必要となる手続きを案内してくれることもあります。
口座を解約、もしくは名義変更する人は、戸籍謄本や印鑑証明書とともに相続届の提出が必要です。相続人が複数いるケースでは、併せて遺産分割協議書も出さないといけません。手続きが終了したあと、名義変更された通帳が手渡されるか、指定された口座へ残高が振り込まれます。
3-2.死亡保険の手続き:約1〜2週間
死亡保険金は、保険会社に請求書類を提出してから、約1週間から2週間程度で、指定された受取人の口座に振り込まれます。
重要なのは、死亡保険金は原則として「受取人固有の財産」であり、相続財産には含まれない点です。そのため、遺産分割協議が完了していなくても、受取人は単独で請求手続きをおこなえます。死亡診断書や受取人の本人確認書類などを準備し、保険会社に連絡しましょう。
遺産分割協議を待たずに、比較的早く現金化できるのが大きな特徴です。
3-3.有価証券の口座移管:約1ヶ月間
故人が株や投資信託の取引をしていた場合、有価証券の口座移管も必要です。相続人が証券口座を持っていれば、有価証券を移管する手続きだけで問題ありません。しかし相続人が証券口座を持っていないときは、開設手続きからスタートしなければなりません。
これらの手続きが完了するには、約1ヶ月間かかると押さえておきましょう。口座を新たに開設する場合は、さらに期間を要すると考えたほうが賢明です。
3-4.自動車の受け取り:約3週間
自動車の所有者が変わるときも、名義変更をしなければなりません。故人の自動車を引き継ぐのであれば、陸運局で手続きを済ませる必要があります。
陸運局での手続きでは戸籍謄本や印鑑証明書、車検証といった書類を提出します。ほかにも故人の戸籍謄本に加え、相続人が複数いる場合は遺産分割協議書も用意しましょう。
さらに故人の自動車を今後使用するのであれば、自動車保険の手続きが必要です。これらをすべて終わらせるには、約3ヶ月間かかると考えてください。
3-5.不動産の名義変更:約2ヶ月
故人が不動産を所有していれば、名義変更が必要となるケースもあるでしょう。とくに2024年4月より、不動産の相続では相続登記が義務化されました。そのため、原則として法務局で手続きをしなければなりません。
相続登記をするには、戸籍謄本や住民票、印鑑証明書といった書類を提出します。加えて固定資産評価証明書も、市町村役場や税事務所から取り寄せる必要があります。諸々の手続きを考慮すると、約2ヶ月以上かかるのが一般的です。
関連記事:相続不動産の名義変更は自分でできる?自分でするメリット・デメリット
4.期限が定められている相続手続き
相続手続きのなかには、期限が定められているものも存在します。とくに重要となる手続きを取り上げるので、いつまでに済ませないといけないかを押さえてください。
4-1.限定承認および相続放棄
限定承認と相続放棄は、いずれも相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に手続きが必要です。限定承認は、負債の範囲で資産を引き継ぐ方法を指します。
一方で相続放棄は、資産および負債のすべてを放棄する方法です。期限内に手続きしなければ相続したとみなされるので、両者を検討されている人は注意してください。
4-2.準確定申告
故人の生前の所得を申告することを準確定申告と呼び、期限は相続開始のときから4ヶ月以内となっています。故人が事業所得や不動産所得を受けていた場合は、注意が必要です。故人の生前の住所地を管轄する税務署が申告先となります。
4-3.相続税の申告
相続税の申告は、相続開始したときから10ヶ月以内にしなければなりません。非課税となるケースも少なからずありますが、不動産や宝石などを引き継いだ場合は注意してください。
財産調査の期間も考慮すると、早めに準備を進めたほうがよいでしょう。
4-4.相続登記
2024年4月から義務化された相続登記は、不動産の所有権の取得を知ったときから3年以内が期限です。ほかの手続きと比べると期限が長いように感じますが、登記は複雑な手続きが求められます。
期限を順守しないと10万円以下の過料(罰則)も適用されうるので、早めに着手しましょう。
5.遺産相続が遅れる原因と解決策
遺産相続の手続きが遅れる主な原因は、相続人・財産の全体像がつかめないことや、連絡が取れない相続人がいること、分け方をめぐる対立が起きることです。
ここでは代表的なつまずきポイントを整理し、手続きを前に進めるための具体的な解決策を順に解説します。
5-1.相続人や財産の全体像が把握できず手続きが進まない
相続手続きは、まず「相続人と遺産の全体像」を正確に把握することから始まります。とくに相続放棄を検討する場合、3ヶ月という期限は非常に短いため、自力での解決が難しいなら専門家の力を借りるべきです。
財産の詳細が不明な際は、名寄帳の確認や金融機関への照会をおこない、漏れのない調査を徹底してください。万が一期限内に調査が終わらない恐れがあるときは、家庭裁判所へ「熟慮期間の伸長」を申し立てて時間を確保しましょう。公的な手続きを適切に利用して確実な情報を揃えることが、停滞を防ぐ解決策となります。
5-2.相続人の中に連絡が取れない人や判断が難しい人がいる
行方不明者や判断能力が不十分な相続人がいる場合、そのままでは遺産分割協議を進められません。一部の相続人を欠いた合意は法的に無効となるため、全員の参加が必須条件です。
連絡不能な方には「不在者財産管理人」の選任、判断が難しい方には「成年後見制度」の利用など、法定代理人を立てる手続きをおこないましょう。これらの制度を活用すれば、法律に則った正当な話し合いの場を整えられます。手間を惜しまず公的な制度を使いこなすことが、円満な相続を実現する確実な方法です。
5-3.遺産の分け方をめぐって意見が対立して話し合いが進まない
親族間の話し合いが平行線なら、第三者の介入を検討すべきです。当事者同士では感情的になりやすい問題も、弁護士や家庭裁判所を介せば、法的根拠にもとづいた冷静な判断が可能になります。
具体的には「遺産分割調停」を申し立て、調停委員の助言を得ながら法定相続分や寄与分を考慮した解決案を探るのが一般的です。調停でもまとまらない場合は、最終的に裁判官が結論を出す「審判」によって強制的に手続きを完結できます。話し合いによる解決が難しいと感じたら、法的手段により停滞した状況を打破し、最終的な解決を図りましょう。
6.早く遺産をもらうには司法書士へ相談しよう
なるべく早く遺産をもらうには、諸々の手続きをスピーディーに進めるのが重要です。確実かつ迅速に対応するには、司法書士に相談するのをおすすめします。
司法書士は、相続手続きにおける書類作成の代行が可能です。併せて必要書類を揃えたり、相続に関するアドバイスをしたりするといったサポートが受けられます。
ほかにも司法書士の場合、登記の知識も豊富です。不動産を相続する人は、とくに相談したい専門家といえます。
7.まとめ
相続手続きにおいて、遺産をいつもらえるかは人によって異なると考えてください。遺言書の種類や遺産分割協議の有無、さらに財産の種類でも期間が変わります。
目安はある程度示せますが、長期化することも念頭に置かないといけません。なるべく早く遺産を取得するには、司法書士といった専門家に相談し、書類作成や書類の収集を代行してもらうのがおすすめです。
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