相続登記

相続登記に遺産分割協議書は必須?ない場合の手続きの進め方

2025.11.05

「相続に伴い実家の名義変更をしたいが、遺産分割協議書がない」とお困りではありませんか?

不動産の相続登記には、必ずしもこの書類が必要とは限りません。遺言書で相続人が指定されている場合や、法定相続分どおりに登記する場合は不要なケースもあります。

この記事では、遺産分割協議書がなくても相続登記ができる3つのパターンと、逆に協議書が必須となるケース、そして放置した場合の深刻なリスクについて詳しく解説します。

ご自身の状況に合った手続きを知り、義務化に対応するためにも、ぜひ最後までご覧ください。

1.相続登記に遺産分割協議書は「必須」とは限らない

相続登記において、遺産分割協議書が「必須」になるとは限りません。相続の条件によって、遺産分割協議書が必要になるかどうかが変わります。ここでは、不要なケースと必要なケースに分けてまとめます。

1-1.遺産分割協議書が不要なケースとは?

遺産分割協議書が不要なケースは、以下の条件を満たした場合です。

  • 相続人が一人だけの場合
  • 法定相続分どおりに分ける場合
  • 遺言書で不動産の相続先が指定されている場合

それぞれの条件について、簡単に整理してみましょう。

1-1-1.相続人が一人だけの場合

相続人が一人だけの場合、遺産分割協議書は必要ありません。そもそも遺産分割協議が必要になるのは、ほかの相続人との話し合いで相続分を決めるときです。相続人が一人しかいない場合は、話し合う相手がいないため、遺産分割協議書を作る意味がなくなります。

もともと法定相続人がいた場合でも、相続放棄や相続欠格、廃除によって相続権を失うケースもあります。また自身に兄弟がいなくても、前妻の子が相続権を持っている場合もあるため、一人っ子でもほかの相続人がいないかを入念にチェックしましょう。

1-1-2.法定相続分どおりに分ける場合

法定相続分どおりに分ける場合も、基本的には遺産分割協議書は不要です。民法第900条では、法定相続分として以下の割合で相続する旨を定めています。

配偶者と子(第1順位)が相続人の場合配偶者:1/2子:1/2
配偶者と親(第2順位)が相続人の場合※子がいない配偶者:2/3親(直系尊属):1/3
配偶者と兄弟姉妹(第3順位)が相続人の場合※子も親もいない配偶者:3/4兄弟姉妹:1/4
子・親・兄弟姉妹のみが相続人の場合※配偶者がいない、または既に亡くなっている第1順位の子だけの場合:子が全て(1/1)第2順位の親だけの場合:親が全て(1/1)第3順位の兄弟姉妹だけの場合:兄弟姉妹が全て(1/1)

とはいえ、不動産を法定相続分で登記すると「共有状態」になり、将来不動産を売却や処分をする際に共有者全員の同意が必要になるため、手続きが複雑になります。

さらに、一旦法定相続分で登記したあと、改めて遺産分割協議で一人の名義に直すと、再度登記が必要となり登録免許税や司法書士費用が二重にかかる恐れがあるため、十分に注意しなくてはいけません。

1-1-3.遺言書で不動産の相続先が指定されている場合

遺言書で不動産の相続先が指定されている場合も、基本的に遺産分割協議書は不要です。遺言書は被相続人の最終意思であり、原則としてその内容に従って相続登記を進めます。

ただし、遺言書の種類には注意が必要です。法務局で保管されていない自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかった場合は、登記手続きの前に家庭裁判所で「検認」という手続きを受ける必要があります。

なお、公正証書遺言や法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言は検認が不要で、そのまま登記申請に使えます。

1-2.遺産分割協議書が必要になるケースとは?

遺産分割協議書が必要になるのは、以下のケースに該当するときです。

  • 複数の相続人がいる場合
  • 法定相続分と異なる割合で分ける場合
  • 不動産を特定の相続人に単独名義で登記する場合
  • 相続人の一部が相続放棄をした場合

これらの条件についても、細かく見ていきましょう。

1-2-1.複数の相続人がいる場合

相続人が複数いる場合、基本的に遺産分割協議書の作成が必要です。無論、法定相続分に従う場合は、遺産分割協議書が不要なケースもあります。しかし先程も説明したとおり、不動産の相続にはリスクもあるため、誰が相続するかを具体的に決めておくのが安心です。誰が相続人になるかは、あらかじめ入念に調査しておきましょう。

相続人が全員協議に参加していないと、遺産分割協議書は無効になります。遺産分割協議がやり直しとなる可能性もあるため、全員に連絡できる状態を確保しておく必要があります。

1-2-2.法定相続分と異なる割合で分ける場合

法定相続分と異なる割合で分ける場合も、遺産分割協議書を作成しなければなりません。

たとえば父親が死亡し、母親と長男、次男の三人が相続人になったとしましょう。父親の家を相続する際、本来は母親が2分の1、長男と次男は4分の1ずつが持分となります。

しかし母親と長男が実家で暮らし、次男だけ別居するケースもあるでしょう。この場合は次男にほかの財産を分配し、実家は母親と長男のみで相続することも可能です。

ただし分配方法は法定相続分と異なるため、遺産分割協議書にきちんと示す必要があります。

1-2-3.不動産を特定の相続人に単独名義で登記する場合

不動産を特定の相続人に分配するときも、基本的には遺産分割協議書を提出しなければなりません。遺産分割協議書には、相続人の一人が単独名義で登記する旨の合意があったことを記載しましょう。

実際の不動産の相続では、売却や処分するケースにも備え、一人が単独で所有するのが一般的です。ただし不動産の管理には少なからず負担がかかるため、誰の名義で登記するかは遺産分割協議で入念に話し合ってください。

1-2-4.相続人の一部が相続を放棄した場合

相続人の一部が相続放棄した場合は、その人を除いた残りの相続人全員で遺産分割協議をおこないます。

相続放棄をした人は、法律上「初めから相続人ではなかった」とみなされるため、遺産分割協議に参加する必要も権利もありません。そのため、残った相続人が複数名おり、その方々で法定相続分とは異なる割合で不動産を分ける場合には、遺産分割協議書が必要になります。

登記申請の際は、残りの相続人全員で作成した遺産分割協議書と、放棄した人の「相続放棄申述受理証明書」を法務局に提出します。

関連記事:遺産分割協議書を作成しないとどうなる?起こりうる6つのトラブル例

2.遺産分割協議書が「ない」場合の相続登記のパターン

遺産分割協議書がなくても相続登記ができるパターンは、主に「遺言書がある場合」「法定相続分で分ける場合」「相続人が一人の場合」の3つです。

遺産分割協議書は、あくまで相続人が複数いる場合に「話し合いで分け方を決めた」証拠として必要な書類です。したがって、故人が遺言書で分け方を指定していたり、法律で決まった割合のまま登記したりするなど、相続人同士の話し合いが不要なケースでは、遺産分割協議書なしで手続きを進められます。

遺産分割協議書がなくても相続登記ができる主な3パターンを詳しく見ていきましょう。

2-1.パターン①「遺言書」にもとづき相続登記をおこなう

遺言書で「長男に自宅不動産を相続させる」といったように不動産を受け取る人が明確に指定されている場合、その遺言書を使って相続登記ができます。

遺言書は、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)よりも優先される故人の最終的な意思表示です。そのため、法的に有効な遺言書である場合、ほかの相続人の同意や遺産分割協議書への署名・捺印がなくても、不動産を受け取る相続人が単独で名義変更の手続きをおこなえます。

2-1-1.必要な書類(遺言書、戸籍謄本など)

遺言書にもとづいて相続登記をおこなう場合、法務局には「遺言書」そのものを提出します。あわせて、亡くなった方(被相続人)の死亡が記載された戸籍謄本(または除籍謄本)と、不動産を受け取る相続人の現在の戸籍謄本が必要です。

さらに、不動産を受け取る相続人の住民票(または戸籍の附票)と、登記する不動産の最新の固定資産評価証明書も必要になります。遺産分割協議書や相続人全員の戸籍謄本は原則不要です。

2-1-2.注意点:自筆証書遺言の場合は「検認」が必要な場合も

遺言書を使って登記する際の注意点は、法務局で保管されていない自筆証書遺言や秘密証書遺言には、家庭裁判所での「検認(けんにん)」手続きが必須という点です。

検認とは、遺言書が偽造されたり、書き換えられたりするのを防ぐために、家庭裁判所で相続人立会いのもと遺言書を開封し、状態を確認する手続きのことです。検認を受けていない自筆証書遺言では登記申請ができません。

なお、「公正証書遺言」や「法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言」は、検認が不要です。

関連記事:遺言書があれば遺産分割協議書はいらない?例外ケースや手続きの手順

2-2.パターン②「法定相続分」で相続登記をおこなう

遺言書がなく、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)もまとまらない場合でも、法律で定められた割合(法定相続分)で相続登記を申請できます。

法定相続分は、遺産分割協議書が不要なため、相続人のうちの一人からでも申請が可能です。ただし、これはあくまで名義変更の手続きを一時的に進める手段にすぎません。

2024年4月から始まった相続登記の義務化に対応するため、ひとまず法定相続分を選択するケースもあります。

2-2-1.相続人全員の共有名義として登記される

法定相続分で相続登記をおこなうと、その不動産は相続人全員の「共有名義」となります。これが法定相続分登記のリスクの1つです。

不動産が共有名義になると、その不動産を将来売却したり、誰かに貸したりする際に、共有者となっている相続人全員の同意(実印や印鑑証明書)が必要になります。共有者のうち一人でも反対すれば何もできず、将来トラブルの原因になりやすいため、法定相続分で相続登記をおこなう際は慎重に検討しましょう。

2-2-2.必要な書類(戸籍謄本一式など)

法定相続分で登記する場合、遺産分割協議書が不要な代わりに、相続人全員を法的に確定させるための戸籍謄本一式を提出しなければなりません。

具体的には、亡くなった方(被相続人)の「出生から死亡まで」のすべての連続した戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)が必要です。さらに、相続人全員の現在の戸籍謄本も揃えなければなりません。

これらの戸籍で、相続人が誰と誰であるかを法務局に証明します。

2-3.パターン③「相続人が1人」しかいない場合

相続人が最初から一人しかいない場合、遺産分割協議書はもちろん不要です。

たとえば、亡くなった方に配偶者も子も親も既になく、相続人が兄弟一人のみ、といったケースが該当します。遺産分割協議は、相続財産を「分ける」ための話し合いのため、相続人が一人しかいない場合は、遺産分割協議書を作成する必要がなく、その相続人がすべての遺産を相続する登記をおこないます。

2-3-1.必要な書類(被相続人と相続人の戸籍謄本など)

相続人が一人しかいない場合の相続登記では、「本当に相続人はその一人だけである」のを証明する戸籍謄本一式が必要です。

亡くなった方(被相続人)の「出生から死亡まで」のすべての戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)を集め、ほかに相続権を持つ人がいないかを法務局に示す必要があります。あわせて、相続人ご自身の現在の戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書などを提出し、名義変更の手続きをおこないます。

3.相続登記を進めるために遺産分割協議書を作成する流れ

相続登記を進めるうえで、遺産分割協議書を作成するには以下のプロセスを踏む必要があります。

  1. 相続人および相続財産を調査する
  2. 遺言書の有無を確認する
  3. 遺産分割協議をおこなう
  4. 遺産分割協議書を作成する
  5. 法務局にて相続登記の手続きをおこなう

プロセスごとに、どういった手続きが必要になるかを見ていきましょう。

3-1.相続人および相続財産を調査する

被相続人の死亡が判明した場合、相続人および相続財産を調査しなければなりません。相続人を調査するときは、戸籍から辿るとよいでしょう。

相続財産は、遺品を参考にコツコツと計算していく必要があります。正しく計算しないと、遺産分割協議がやり直しになる場合もあるので注意が必要です。

このように相続人や相続財産の調査は、地道な作業が求められます。初心者だけで、ミスなく完了させるのは困難です。家族だけで調査をするのではなく、なるべく司法書士や弁護士といったプロに依頼しましょう。

3-2.遺言書の有無を確認する

相続人と相続財産の調査に加え、遺言書の有無も確認してください。自筆証書遺言書や秘密証書遺言書であれば、基本的には自宅で保管されています。まずは被相続人の家に訪問し、郵便入れやタンスのなかを詳細に調べましょう。

一方で自筆証書遺言書の場合、法務局で保管されているケースもあります。法務局が預かっている遺言書は、家庭裁判所で検認手続きを経る必要はありません。全国各地の法務局でデータを閲覧できるため、被相続人が亡くなったときは閲覧請求してみるとよいでしょう。

ほかにも公正証書遺言書の場合、公証役場で原本が保管されています。被相続人が亡くなったとしても、公証役場からの通知はありません。そのため自ら公証役場に訪問し、遺言書の有無を確認してください。

公正証書遺言書も、開封する際には家庭裁判所の検認手続きは不要です。

3-3.遺産分割協議をおこなう

遺言書が残されておらず、法定相続分に従わないときは遺産分割協議をおこないましょう。

遺産分割協議をするうえで、注意しなければならないのが相続人全員を参加させることです。疎遠になっている相続人にも、連絡先を調べて相続の発生を知らせないといけません。

一方で遺産分割協議書は、全員が同じ場にいる必要はありません。遠方に住んでおり、どうしても直接会うことができない人は電話やメールでの参加も可能です。

また遺産分割協議を巡って、相続人同士がもめる恐れもあります。場合によっては、時間がかかることも押さえてください。

3-4.遺産分割協議書を作成する

協議の内容がまとまったら、遺産分割協議書を作成してください。遺産分割協議書には、相続人全員からの署名および捺印が必要です。電話やメールで対応していた相続人からも、後日署名と捺印をもらわないといけません。

どうしても遺産分割協議書に署名と捺印がもらえない場合は、遺産分割証明書を作成するといった方法があります。遺産分割証明書は各相続人が作成できるため、遠方に相続人がいる場合にもおすすめです。

また遺産分割協議書を作成するのが難しい場合は、司法書士に依頼しましょう。司法書士に依頼しておくと、ミスが生じるリスクも少なくなります。

3-5.法務局にて相続登記の手続きをおこなう

遺産分割協議書を作成したら、法務局で相続登記の手続きをしてください。手続きに必要な書類は次のとおりです。

  • 登記申請書
  • 遺産分割協議書
  • 戸籍謄本
  • 住民票除票や戸籍附票
  • 固定資産評価証明書など

戸籍謄本や住民票除票は、司法書士に依頼すると一式揃えてくれます。手続きする際には、司法書士と相談しつつ、どういった書類を揃えればよいかを細かく確認してみましょう。

関連記事:【ステップ別】相続登記の手続きの流れとは?必要な書類も解説

4.遺産分割協議書がないまま相続登記を放置する3大リスク

遺産分割協議書がない状態、つまり不動産の分け方が決まらないまま相続登記を放置すると、法的な罰則や財産処分の制限など、将来的に深刻なリスクを招く恐れがあります。

2024年4月からは相続登記が義務化され、不動産の名義変更は「いつかやればよい」ものではなくなりました。「話し合いがまとまらないから」と先送りにしていると、ご自身やお子様の世代にまで負担を残す結果になりかねません。

具体的にどのようなリスクが発生するのか、3つに分けて解説していきます。

4-1.相続登記の義務化違反による過料が発生する

相続登記を放置するリスクは、2024年4月1日から始まった相続登記の義務化に違反し、過料(かりょう)を科される点です。この法律では、「相続の開始を知った日(通常は亡くなった日)から3年以内」に相続登記をおこなうのが義務付けられました。正当な理由なくこの登記を怠ると、10万円以下の過料の対象となります。

遺産分割協議がまとまらない場合でも、ひとまず「相続人申告登記」という手続きで義務を果たす方法もありますが、これは登記簿に相続人の名前が載るだけで、不動産を売却できる手続きではありません。そのため、最終的には遺産分割協議を成立させ、名義を単独にする登記が必要です。

関連記事:相続登記の義務化による罰則・過料とは?罰則を受けないための方法も解説

4-2.不動産の売却や担保設定(融資)ができない

相続登記が完了していない(亡くなった方の名義のままの)不動産は、たとえ相続人であっても、売却(売ること)も、担保に入れて融資(ローン)を受けることも一切できません。なぜなら、その不動産が法的に誰のものかが確定していないからです。

たとえば、急にお金が必要になり実家を売りたいと思っても、名義が祖父のままでは買い手が見つかりません。売却するには、まず相続人全員で遺産分割協議を成立させ、相続登記を完了させる必要があり、時間も手間もかかります。こうした将来のトラブルを避けるためにも、相続登記は早めに済ませておきましょう。

4-3.次の相続(数次相続)が発生し、権利関係が極端に複雑化する

相続登記を放置している間に相続人の誰かが亡くなると、次の新たな相続(数次相続)が発生し、権利を持つ人がネズミ算式に増えて極端に複雑化します。

たとえば、父が亡くなった際の登記をしないうちに長男が亡くなったとします。その場合、父の遺産分割協議には、長男の相続人である長男の妻や子も参加しなくてはなりません。関係者が増えるほど話し合いはまとまりにくくなり、戸籍収集の負担も激増します。会ったこともない遠い親戚と協議が必要になるケースも珍しくありません。

関連記事:相続登記しないまま親族が死亡したらどうする?対処法と放置するリスク

5.遺産分割協議書なしの相続登記は、司法書士への相談が確実

遺産分割協議書が作れない、あるいは遺言書や法定相続分で登記を進めたいなど、ご自身の状況が分からずお困りの場合は、登記の専門家である司法書士に相談するのが確実です。

司法書士は、まず誰が相続人なのかを法的に確定させ、遺言書の有無や相続財産の内容を確認します。そのうえで、遺産分割協議書を作成して登記すべきか、法定相続分で登記すべきかなど、あなたの状況に応じた手続きと、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明してくれます。

5-1.複雑な戸籍謄本の収集・読み解きを任せられる

司法書士に依頼するメリットは、相続人を法的に確定させるための、手間のかかる戸籍謄本の収集と読み解きをすべて任せられる点です。

相続登記には、亡くなった方の「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)や、相続人全員の現在の戸籍謄本などが必要です。これらを本籍地のあるすべての市区町村役場から取り寄せるのは大変な労力です。

司法書士は専門家としてこれらを迅速に収集し、古い戸籍を正確に読み解き、相続人の調査漏れを防いでくれます。

5-2.状況に応じた最適な登記方法を提案してもらえる

司法書士は、あなたの状況やご希望に合わせて相続登記の方法を法律にもとづき提案してくれます。

たとえば、遺言書がある場合は遺言書にもとづく登記、相続人全員の合意があるなら遺産分割協議書を作成しての登記、話し合いがまとまらないなら法定相続分での登記(ただし共有のリスクも説明)など、選択肢はさまざまです。

相続登記の義務化に対応するため新設された「相続人申告登記」についても、その役割や注意点を詳しく説明し、あなたが不利にならない方法を一緒に考えてくれます。

5-3.調停や審判に進む場合は弁護士の紹介も可能

もし相続人同士の話し合いがどうしてもまとまらず、家庭裁判所での法的な解決が必要になった場合、司法書士は紛争解決の専門家である弁護士を紹介してくれます。

司法書士は登記や書類作成の専門家であり、相続人間の交渉代理や裁判所での調停・審判の代理人には原則なれません(一部の司法書士を除く)。しかし、多くの司法書士は相続問題に強い弁護士と連携しています。話し合いの段階から司法書士が関わっていると、万が一紛争に発展した場合でも、スムーズに弁護士へ引き継ぎ、解決までサポートする体制を整えられます。

6.まとめ

遺産分割協議書がなくても、遺言書や法定相続分で相続登記ができる3つのパターンを解説しました。しかし、遺産分割協議書なしで法定相続分登記をおこなうと、不動産が「共有名義」となり、将来の売却や管理が困難になるリスクを伴います。

相続登記は義務化され、放置すれば過料の対象にもなりかねません。

戸籍の収集や財産調査、協議書の作成は複雑なため、ご自身のケースでどの方法が最適か判断に迷う場合や、手続きに不安がある方は、まず専門家である司法書士にご相談ください。

司法書士法人・行政書士鴨川事務所では、遺産分割協議書の作成や各種手続きなど、相続に関するお問い合わせを随時受け付けております。相続で不安に感じていることや悩みなど、1人で抱えこまずにぜひ私たちへご相談ください。

監修者 池部 翔司法書士・行政書士

司法書士法人・行政書士鴨川事務所 代表

相続手続きは複雑で、自己判断により重大なトラブルを招くことがあります。当事務所では、丁寧に相談を受けたうえで、専門知識を活かし、最適な解決策の提案から実行までをサポートしています。

京都司法書士会・京都府行政書士会所属

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