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【京都】行政書士が解説!相続と遺言書の気になるポイント

相続される財産と分配について

相続が生じた場合には、まず相続の対象となる財産と分配割合について理解しておく必要があります。被相続人(亡くなった方)が所有していた財産のすべてが相続されるとは限らないため、相続の対象となる財産の概要を理解しておくことが重要です。また、相続においては、法律上定められている分配割合があります。遺産分割協議の前に、分配割合についても理解しておくと話をスムーズに進めやすいでしょう。

財産の対象とは?

相続財産とは、被相続人から相続する財産のことを指します。

相続財産とは、被相続人から相続する財産のことを指します。相続財産の中には、プラスの財産とマイナスの財産の2種類があるので知っておきましょう。

まず、プラスの財産としては以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産
  • 動産
  • 現金、有価証券
  • その他

不動産には、土地(宅地・農地・山林)と建物(住宅・店舗事務所)、そして借地権や借家権などの権利が挙げられます。一方の動産の例としては、自動車や船舶、骨とう品や宝石、貴金属や美術品が挙げられます。

現金、有価証券の例としては現金や預貯金、株券や小切手などが挙げられます。また、売掛金や支出金、出資金や貸付金などもプラス財産の一部です。

また、上記以外にも電話加入権やゴルフ会員権、交通事故等の損害賠償請求権なども、プラスの相続財産に含まれます。

プラスの相続財産がある一方で、以下のようなマイナスの相続財産もあります。

  • 負債:借金、住宅ローン、小切手、買掛金
  • 税金:未払いの税金
  • その他:未払いの家賃や医療費、慰謝料や損害賠償金など

また、相続を開始する3年前(被相続人の死亡前3年以内)に現金や土地などを贈与によって受け取っていた場合は、相続税計算上の相続財産に含まれるため、注意が必要です。そのほかにも、以下のように相続財産に該当するか否か、微妙な判断が求められるケースもあります。

  • 死亡退職金や死亡保険金は受取人が指定されているため、相続されたものとはいえないが、被保険者の死亡により発生した財産であるため、みなし相続財産として相続税課税対象になる
  • 被相続人が死亡する直前に被相続人の口座から引き出した現金は、実質的に相続された財産とみなされるため、相続税課税対象になる

相続財産に該当するか否かについて判断が難しいケースも多いため、わからないことがある場合は専門家へ相談することをおすすめします。

京都にある京都鴨川司法書士・行政書士事務所は、相続問題の専門家として多くのお客様からご相談いただいている実績がございます。相続登記の手続きや預貯金の名義変更、遺産分割協議、遺言書の作成など、様々なご相談に対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

分配される割合は?

法定相続分とは、被相続人の財産を相続するにあたって、法律上決められた各相続人の取り分のことをいいます。

被相続人が遺言書を残していた場合は、原則としてその内容に従います。ただし、遺言書がない場合は、遺産分割協議を行う必要があるのです。そして、遺産分割協議における公平性を保つ概念として知っておきたいのが「法定相続分」という考え方です。

法定相続分とは、被相続人の財産を相続するにあたって、法律上決められた各相続人の取り分のことをいいます。法律上、相続の権利がある方のことを法定相続人と呼び、以下のとおり相続の順位が決められているのです。

  • 被相続人の配偶者:常に相続人
  • 被相続人の子(子が既に死亡している場合は孫):第1順位
  • 被相続人の父母(父母が既に死亡している場合は祖父祖母):第2順位
  • 被相続人の兄弟(兄弟が既に死亡している場合は兄弟の子):第3順位

上記の順位で、常に相続人となる配偶者と最も順位の高い方が相続人になります。たとえば、分配される割合は以下のとおりです。

相続人の状況 法定相続分の分配割合
配偶者のみ 財産をすべて
配偶者と第1順位の法定相続人1名 配偶者:1/2
第1順位の法定相続人:1/2
配偶者と第2順位の法定相続人1名 配偶者:2/3
第2順位の法定相続人:1/3
配偶者と第3順位の法定相続人1名 配偶者:3/4
第3順位の法定相続人:1/4
配偶者と第1順位の法定相続人4名 配偶者:1/2
第1順位の法定相続人:1人当たり1/8

また、法定相続人が複数人いる場合は、法定相続分を相続人の頭数で割って相続することになります。たとえば、配偶者と第1順位の法定相続人4名がいた場合、全体の1/2が配偶者の取り分になり、残りの1/2を4人で分け合うことになるのです。

(例)

  • 法定相続人:配偶者と子4名
  • 相続財産総額1億円

配偶者の相続分:1億円×1/2=5,000万円

子1人当たりの相続分:1億円×1/2×1/4=1,250万円

遺言書でできることと種類

法定相続分について理解したところで、遺言書について詳しく見ていきましょう。遺言書を残すことで、法律に縛られず被相続人の思いをより反映した形での相続が可能になります。また、遺言の作成方法にはいくつかの種類があるため、基本的な違いを押さえておくことも大切です。

できること

遺言書でできること

遺言とは、被相続人が亡くなった後、遺族に向けて示す意思表示のことです。その遺言を書いた書面のことを遺言書といいます。なお、一般的には「ゆいごん」と読みますが、法律用語としては「いごん」と読みます。

法律上有効な遺言書では様々なことができますが、なかでも相続に関しては、以下のように多種多様な遺言を残すことが可能です。

  • 相続分の指定または指定の委託
  • 推定相続人の廃除および廃除の取り消し
  • 特別受益の持ち戻しの免除
  • 遺産分割方法の指定または指定の委託
  • 5年以内の遺産分割の禁止
  • 相続人相互の担保責任の指定
  • 遺留分減殺方法の指定

遺言でできることとして最も一般的なのは、相続分の指定です。相続分の指定とは、法定相続分の分配割合を任意の割合に変えることです。ただし、配偶者や子、直系尊属には「遺留分」と呼ばれる最低限相続できる相続分があるため、必ずしも遺言通りにいかないこともある点には注意しておきましょう。

また、遺言では「配偶者には土地や自宅を残し、子には預金を残したい」などといったように、具体的な遺産相続方法も指定することも可能です。

推定相続人の廃除とは、生前自分に対して虐待や重大な侮辱を与えた相続人に対して遺産を相続させないことを指します。

特別受益分の持ち戻しの免除とは、特別受益分を含めた遺産の相続分割合の計算を免除することです。特別受益とは生前贈与など被相続人の生前に受けていた相続人の利益のことであり、相続人間の公平性を保つために、通常は特別受益分も遺産総額に加えて分割協議を行います。このような場合、遺言で明記されていれば、遺産総額に加えず相続分の計算を進められるのです。ただし、あくまでも遺留分の規定に反しない範囲に限定される点には注意しましょう。

種類

遺言書の種類

遺言書には普通方式遺言と特別方式遺言の2種類があり、普通方式遺言には3種類あります。こちらでは、3種類の普通方式遺言と特別方式遺言についてご紹介いたします。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が全文・日付・氏名をすべて自分で記入した遺言書のことです。筆記用具と紙さえあれば書くことができ、特別な費用もかからないため、非常に手軽です。しかし、遺言書が法的要件を満たしているかどうかの確認が必要となるほか、紛失や偽造、隠匿などの可能性が否定できないので、注意が必要となります。また、遺言書があることを知らせる方法も考えておかなくてはなりません。被相続人が書いた遺言書であることを家庭裁判所に検認してもらうことも大切です。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人に作成してもらい、原本を公証役場で保管してもらう遺言書のことです。内容を公証人に確認してもらえる上に保管もしてくれるため、確実性が非常に高い方法となります。遺族間の争いを防止するために活用される方法ですが、費用がかかることや、第三者である公証人に内容を知られてしまう点には注意しましょう。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言者が署名・捺印付きで作成した遺言書を公証人役場に持ち込んで保管してもらう方法です。内容を誰にも知られることなく、遺言書を安全に保管できるほか、遺言の存在を遺族に知らせることができるなどのメリットがあります。ただし、費用がかかることや、公証人に内容をチェックしてもらえるわけではない点などには注意が必要です。

特別方式遺言

特別方式遺言とは、これまで紹介した方式では遺言を残せない特殊な状況に置かれている際に作成する遺言のことです。特別方式遺言には、危急時遺言と隔絶地遺言がありますが、特殊な状況を想定した方式のため、遺言を作った後に危機が去って6ヶ月間生存した場合は無効になります。

京都の行政書士に相続と遺言書に関する相談をするなら

相続の際には、相続財産に該当するものを理解しておき、法定相続分の分配割合を知っておくことが大切です。また、遺言書を活用することで法定相続分の考えだけに縛られない、被相続人の思いをより反映させた相続ができるようになりますので、遺言の基本についても押さえておきましょう。

ただし、実際の相続・遺言について考える際にははっきりと判断することが難しいケースも多々あります。その場合は、相続問題の専門家へ相談するのがおすすめです。

京都で相続問題について相談したいとお考えなら、京都鴨川司法書士・行政書士事務所へお問い合わせください。親族間のトラブルや遺言書の作成など、相続に関する様々なご相談に親身になって対応いたします。信頼できる士業との連携により、お客様にとって最もよい方法を見つけ、迅速に実行できるのが強みです。京都にお住まいの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

京都の行政書士に相続相談をするなら、京都鴨川司法書士・行政書士事務所へお任せください

事務所名京都鴨川司法書士・行政書士事務所
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代表司法書士登録番号京都府 第1249号
代表行政書士登録番号第18270785号
所属京都司法書士会
京都府行政書士会
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簡裁代理権認定番号第1712044号