遺産相続

京都で生前対策を依頼するならどこ?相談先を選ぶ際のチェックポイント

2026.04.10

「京都で生前対策を始めたいが、何から手をつければ良いかわからない」とお悩みではありませんか?

京都は歴史ある街並みが魅力ですが、独自の景観政策や厳しい建築制限、さらには複雑な権利関係を持つ不動産が多く、他地域に比べて生前対策の重要性が極めて高いエリアです。対策を先延ばしにし、認知症などで判断能力が低下してしまうと、大切な資産が「凍結」され、ご家族が途方に暮れるリスクもあります。

そこでこの記事では、京都特有の不動産事情を踏まえた対策の必要性や、家族信託・遺言書といった具体的な手法、失敗しない専門家の選び方を詳しく解説します。

地元の金融機関との連携や行政手続きのポイントも網羅していますので、スムーズな資産承継への第一歩としてぜひ最後までご覧ください。

1.京都で生前対策を進めるべき理由

京都で生前対策を進めるべき理由は、主に4つあります。

  • 京都特有の不動産事情がある
  • 高齢化が進んでいる
  • 相続争いが起きやすい資産構成が多い
  • 京都市特有の行政手続きや条例がある

これらはすべて、京都特有の特徴が関連しています。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

1-1.京都特有の不動産事情がある

京都では、町家や古民家など歴史的な建物を所有する方が多く、それが生前対策を進めるべき大きな理由の一つになっています。

京都市では2007年から「新景観政策」が実施されており、美観地区や風致地区など複数の区域に分けられ、建築物の高さや色・屋根の形状に細かな制限が設けられています。そのため、認知症などで本人が意思決定できなくなったあとに改修や売却が必要になっても、所有者が動けない状態では手続きが止まってしまうのです。

参考:新景観政策|京都市

京都ならではの不動産を守り、スムーズに管理・承継するためにも、元気なうちに家族信託や遺言書で方針を決めておくのが重要です。

1-2.高齢化が進んでいる

京都市で生前対策を急ぐべき理由として、高齢化が急速に進んでいる点が挙げられます。

参考:推計人口|京都市統計ポータル

2025年10月時点で、京都市の65歳以上の高齢者人口は40万8,005人で、総人口に占める割合は28.5%、市内の約3.5人に1人が高齢者という状況です。さらに2045年までに高齢化率は36.4%に達し、おおよそ10人に4人が高齢者になると見込まれています。認知症になってからでは家族信託や任意後見契約を新たに結ぶのが原則としてできなくなるため、「まだ元気だから大丈夫」と思える今の段階こそが、対策を始める最善のタイミングです。

1-3.相続争いが起きやすい資産構成が多い

京都では代々受け継いできた不動産や家業を持つ家庭が多く、相続争いが起きやすい資産構成になっています。現金と違い、不動産は複数の相続人で等分に分けることが難しく、「誰が実家を引き継ぐか」「町家をどう活用するか」といった問題が兄弟姉妹間での対立に発展しやすいです。

事前に遺言書や家族信託で承継先と管理方針を明確にしておかないと、相続が始まったあとに深刻なトラブルを招くリスクがあります。「うちは仲が良いから大丈夫」と思っている家庭ほど、書面による備えがなく後悔するケースが少なくありません。

1-4.京都市特有の行政手続きや条例がある

京都市では、他の自治体にはない独自の条例や行政手続きが存在するのも、生前対策が重要な理由の一つです。京都市は「建物は個人財産だが景観は公共の財産」という考えのもとで新景観政策を実施しており、建物の新築・改修・保全・再生の際にはさまざまな条例・制度を考慮する必要があるのです。

認知症などで本人が動けなくなった後に行政への届け出や工事の許可申請が必要になっても、成年後見制度だけでは対応が遅く柔軟性に欠けます。家族が主体的に動ける仕組みをあらかじめ整えておくことが、京都市では特に求められています。

2.京都で選ばれている主な生前対策の手法

京都で選ばれている主な生前対策の手法は、以下の3つです。

  • 家族信託
  • 遺言書作成
  • 生前贈与

それぞれ目的や効果が異なるため、家族の状況や財産の種類に応じて適切な手法を選ぶのが重要になります。各手法の特徴と活用シーンを確認していきましょう。

2-1.家族信託

京都の生前対策として近年注目されているのが、家族信託です。

家族信託とは、元気なうちに信頼できる家族へ財産の管理を託しておく仕組みのことです。認知症などで判断能力が低下しても、資産が「凍結」されることなく家族が柔軟に財産を守り・活用できるようにする制度です。

京都市では町家や古民家など管理に手間がかかる不動産を所有する方も多いため、認知症発症後に資産が動かせなくなるリスクへの備えとしてとくに有効といえます。委託者(財産の所有者)・受託者(管理をする家族)・受益者(財産の利益を受ける人)の3者で構成され、委託者と受益者が同じ人になるケースも少なくありません。

2-2.遺言書作成

遺言書の作成は、相続トラブルを未然に防ぐための基本的かつ有効な生前対策です。遺言書があれば、誰にどの財産を渡すかという本人の意思を法的に残せるため、相続人間での「言った・言わない」のトラブルを防げます。

京都では代々受け継がれた不動産や家業が遺産の中心になりやすく、遺言書で承継先を明確にしておくことが相続争いの防止につながります。なかでも公証人が関与する公正証書遺言は、形式の不備で無効になるリスクが低く、京都市内の公証役場で作成できるため、安心して利用できる方法です。

2-3.生前贈与

生前贈与とは、本人が元気なうちに特定の相続人や家族へ財産を贈与しておく方法で、京都でも広く活用されている生前対策の一つです。不動産や事業用資産を後継者にあらかじめ渡しておくことで、将来の遺産分割トラブルを回避しやすくなります。

ただし、年間110万円を超える贈与には贈与税が発生するため、税負担も含めた計画的なおこないが必要です。また、相続開始前の一定期間内に実施した生前贈与は遺留分計算の対象になる場合があるため、税理士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

3.京都で生前対策を依頼できるおすすめの専門家・窓口

京都で生前対策を依頼できる専門家・窓口は、以下の4つが代表的です。

  • 司法書士事務所
  • 弁護士事務所
  • 税理士事務所
  • 京都公証人合同役場

それぞれ得意とする領域が異なるため、自分の状況や目的に合った相談先を選ぶのが大切です。どのような場合にどの専門家が向いているのかを、順番に解説していきます。

3-1.複雑な実務をトータルで任せたいなら「司法書士事務所」

複雑な生前対策の実務をまとめて依頼したい場合は、司法書士事務所への相談が最適です。司法書士であれば、家族信託契約書の作成から不動産の信託登記、遺言書の作成サポートまで、生前対策に必要な手続きをトータルで担えます。

京都市内には京都司法書士会に所属する事務所が多数あり、相続・信託に実績のある専門家を紹介してもらうのが安心です。とくに京都特有の町家や古民家が絡む案件では、登記の経験が豊富な司法書士に依頼すると手続きがスムーズに進みます。

3-2.親族間で揉める可能性があるなら「弁護士事務所」

家族や親族間でトラブルが起きそうな場合や、すでに意見が対立している場合は、弁護士事務所への相談が適切です。弁護士は法的な交渉や調停・訴訟にも対応できるため、相続争いのリスクが高い案件では心強い存在になります。

京都弁護士会では相談窓口を設けており、生前対策に詳しい弁護士を紹介してもらえます。遺言書の内容に遺留分の配慮が必要な場合や、家族関係が複雑で揉める可能性がある場合は、早い段階から弁護士に関与してもらうのがおすすめです。

3-3.相続税対策をしたいなら「税理士事務所」

生前対策と並行して相続税の負担を減らしたい場合は、税理士事務所への相談が不可欠です。生前贈与の活用・生命保険の見直し・小規模宅地等の特例の適用など、相続税対策には専門的な知識が求められます。

京都市内の税理士事務所の中には、相続・事業承継に強い事務所もあり、毎年改正される税制にもとづいた最新のアドバイスを受けられます。家族信託や遺言書の内容が決まったあとに「税金面の整合性をチェックしてほしい」という形で活用する方法も、多くのケースで選ばれています。

3-4.公的な安心感を重視するなら「京都公証人合同役場」

公的な安心感を重視して生前対策を進めたい方には、京都公証人合同役場の利用がおすすめです。公証人が関与して作成する公正証書遺言は、形式の不備で無効になるリスクが低く、原本が公証役場に保管されるため紛失の心配もありません。任意後見契約も公正証書で締結するのが原則のため、判断能力が低下したあとの生活支援に備えたい方にも役立ちます。

京都公証人合同役場は京都市中京区に所在しており、事前に予約をすれば丁寧に対応してもらえます。

4.京都で生前対策の相談先を選ぶ際のチェックポイント

京都で生前対策の相談先を選ぶ際には、以下5つのチェックポイントを確認してください。

  • 地元の金融機関(京都銀行・京都信金等)との連携実績があるか
  • 家族信託や民事信託の実務経験が豊富か
  • 初回相談が丁寧かつ見積もりが明瞭か
  • アクセスをしやすい立地か
  • 税理士・弁護士などとワンストップで連携できるか

専門家によって知識・実績・費用・連携体制は大きく異なるため、依頼前にしっかりと見極めることが重要です。失敗しない専門家選びのために、各ポイントを一つずつ確認していきましょう。

4-1.地元の金融機関(京都銀行・京都信金等)との連携実績があるか

京都で生前対策の相談先を選ぶ際は、京都銀行や京都中央信用金庫など地元の金融機関との連携実績があるかを確認するのが重要です。

家族信託では信託専用口座(信託口口座)の開設が必要ですが、すべての金融機関が対応しているわけではありません。その中でも地元の金融機関と連携実績がある専門家であれば、口座開設や手続きの流れをスムーズに進めてもらえます。

相談時に、「京都銀行や京都信金と信託口口座の開設をおこなった実績がありますか?」と直接確認してみましょう。

4-2.家族信託や民事信託の実務経験が豊富か

生前対策の相談先として適切かどうかを見極めるには、家族信託・民事信託の実務経験が豊富かどうかの確認が欠かせません。

家族信託は比較的新しい制度であるため、専門家によって知識や経験に大きな差があります。実際に手がけた件数や、京都市内の不動産を信託した案件の経験があるかを確認するのが安心です。Webサイトに家族信託の解説コラムや実績が掲載されているかどうかも、専門性を判断する手がかりになります。

経験の浅い専門家に依頼すると、契約設計のミスや登記の遅れが生じるリスクがあるため注意が必要です。

4-3.初回相談が丁寧かつ見積もりが明瞭か

信頼できる相談先を選ぶうえで、初回相談の対応が丁寧かどうかと費用の見積もりが明瞭かどうかは、非常に重要な判断基準です。

生前対策は内容が複雑なため、専門用語をわかりやすく説明してくれるか、家族の状況を丁寧に聞き取ってくれるかを初回相談で確認しましょう。費用については、相談料・契約書作成料・登記費用・公証人費用などの内訳を明確に提示してくれる事務所が安心です。

「トータルでどのくらいかかりますか?」と率直に聞いて、曖昧な回答しか返ってこない場合は注意が必要です。

4-4.アクセスをしやすい立地か

生前対策の相談先を選ぶ際には、通いやすい立地にあるかどうかも大切なポイントです。

家族信託や遺言書の作成は、初回相談から完成まで複数回の面談が必要になるため、事務所が自宅や最寄り駅から近いほど手続きの負担が軽くなります。京都市内では、地下鉄烏丸線沿線や四条・烏丸エリアに司法書士・弁護士・税理士の事務所が集まっており、アクセスしやすい立地の選択肢が豊富です。

高齢の親が同席する必要がある場合は、バリアフリー対応かどうかもあわせて確認しておくと、より安心です。

4-5.税理士・弁護士などとワンストップで連携できるか

生前対策を円滑に進めるには、税理士や弁護士と連携してワンストップで対応できる体制が整っているかの確認が欠かせません。

家族信託・遺言書・相続税対策・法的トラブルの予防は、それぞれ異なる専門家が担当する領域です。そのため、相談する司法書士事務所が税理士・弁護士と提携していれば、窓口を一本化でき、何度も別々の専門家に同じ説明をし直す手間が省けます。

京都市内では、こうした士業連携に対応している事務所も増えています。初回相談時に「他士業との連携はできますか?」と確認してみるのがおすすめです。

5.京都で生前対策を進める際の流れ

京都で生前対策を進める際の流れは、大きく6つのステップに分かれます。

  1. 家族で現状を整理する
  2. 専門家に相談する
  3. 生前対策の方針を決める
  4. 契約書・遺言書を作成する
  5. 不動産の名義変更・登記をおこなう
  6. 定期的に内容を見直す

家族での現状整理から専門家への相談、契約書の作成・登記、そして定期的な見直しまで、順を追って進めることがスムーズな対策につながります。各ステップの内容と注意点を詳しく解説します。

5-1.家族で現状を整理する

生前対策を始める第一歩は、家族全員で財産と希望を整理することです。預貯金・不動産・有価証券などの財産の種類と金額、そして「誰に何を引き継ぎたいか」という意向を書き出しておくと、その後の専門家との相談がスムーズに進みます。

京都市内では町家や古民家、家業の土地など分けにくい財産を持つ家庭が多いため、売却・賃貸・維持のどの方針で管理したいかを家族間で話し合っておくことが重要です。この段階で全員の意見を揃えておくと、その後のトラブルを防ぐ大きな手助けになります。

5-2.専門家に相談する

財産と希望の整理が終わったら、次は生前対策に詳しい専門家に相談します。

はじめてで何を聞けばよいかわからない場合は、京都市成年後見支援センターや各区役所の福祉窓口への相談も有効です。相談内容をもとに、司法書士・弁護士・税理士のどの専門家に依頼するのが最適かを判断してもらえます。

相談時には、財産の一覧・家族構成・心配していることをまとめたメモを持参すると、専門家も的確なアドバイスをしやすくなります。「誰に何を相談すればよいかわからない」という場合は、まず司法書士への相談から始めるのが一般的です。

5-3.生前対策の方針を決める

専門家との相談をもとに、どの生前対策を組み合わせるかの方針を決めます。家族信託・遺言書・任意後見契約・生前贈与など、それぞれ目的と効果が異なるため、家族の状況に応じた設計が必要です。

認知症リスクへの備えが優先なら家族信託、相続争いの防止が目的なら遺言書、判断能力低下後の生活支援には任意後見契約が向いています。複数の対策を組み合わせることも有効で、京都では町家などの不動産管理を家族信託で担いつつ、遺言書で承継先を明記するケースが多く見られます。

5-4.契約書・遺言書を作成する

生前対策の方針が固まったら、専門家と連携しながら契約書や遺言書を作成します。

家族信託の契約書は公正証書で作成するのが一般的で、京都市中京区にある京都公証人合同役場で手続きをおこないます。公証人が内容を確認して作成するため、法的効力が高く後日のトラブルも起きにくいです。遺言書も同様に公正証書遺言として残しておくと、原本が公証役場に保管されるため安心です。

書類の作成には双方の意思確認や書類収集が必要なため、完成まで1カ月から2カ月程度の時間を見込んでおきましょう。

5-5.不動産の名義変更・登記をおこなう

家族信託を選択した場合、信託を原因とする所有権移転登記を京都地方法務局でおこなう必要があります。登記が完了すると、不動産の名義が受託者(管理を担う子など)に移り、委託者が認知症になった後も受託者が自由に管理・売却できるようになります。

京都市では景観条例の対象区域に含まれる不動産も多く、登記と合わせて行政上の規制も確認しておくと安心です。登記費用には登録免許税と司法書士報酬がかかるため、事前に見積もりを確認しておきましょう。

手続きは、通常2週間から1カ月程度で完了します。

5-6.定期的に内容を見直す

生前対策は一度完成したら終わりではなく、定期的な見直しが欠かせません。家族構成の変化(婚姻・離婚・子どもの誕生・相続人の死亡など)や、法改正・不動産の状況変化に応じて、内容が現状に合わなくなるケースがあります。

目安として2〜3年に1回は担当の専門家と現状を確認し、必要に応じて契約内容や遺言書を更新するのがおすすめです。また、京都市の景観条例や税制は改正されることがあるため、不動産の管理方針についても最新の情報をもとに判断するのが重要です。

早めに対策を始め、継続的に見直す姿勢が、家族を守る最善の備えになります。

6.京都の生前対策なら司法書士法人・行政書士鴨川事務所にお任せください

京都の生前対策は、京都市四条烏丸にある「司法書士法人・行政書士鴨川事務所」にご相談ください。

当事務所は「お客様ファースト」をコンセプトに、遺言書作成・相続手続き・生前贈与など、生前対策に関する幅広いご相談を承っています。明瞭な料金体系と軽いフットワークで、お客様一人ひとりの状況にあわせた最善のサポートをご提供します。

また、平日夜・土日祝日の対応や無料出張相談にも対応しており、お電話・メール・Zoomでも初回無料相談をお受けしています。

「複雑すぎて何をすべきかわからない」「何から始めればよいかわからない」という方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

当事務所へのお問い合わせはこちら

7.まとめ

京都での生前対策は、特有の景観条例や不動産事情、そして急速に進む高齢化背景を考えると、決して他人事ではありません。元気なうちに家族信託や遺言書、生前贈与といった適切な手段を講じておくことは、ご自身の意思を尊重するだけでなく、大切なご家族を将来の相続トラブルから守る最大級の思いやりとなります。

まずはご家族で現状を整理し、京都の地域特性や金融機関の動向に精通した司法書士などの専門家へ相談することから始めてみましょう。一度対策を完了させた後も、ライフステージや法改正に合わせて定期的に内容を見直していくようにしてください。

司法書士法人・行政書士鴨川事務所では、生前対策に関するお問い合わせを全般的に受け付けております。生前対策で不安に感じていることや悩みなど、1人で抱えこまずにぜひ私たちへご相談ください。

監修者 池部 翔司法書士・行政書士

司法書士法人・行政書士鴨川事務所 代表

相続手続きは複雑で、自己判断により重大なトラブルを招くことがあります。当事務所では、丁寧に相談を受けたうえで、専門知識を活かし、最適な解決策の提案から実行までをサポートしています。

京都司法書士会・京都府行政書士会所属

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